仙台高等裁判所 昭和28年(ネ)161号 判決
控訴人等の陳述したとみなされた控訴状の記載によると、控訴人等は「原判決を取消す、被控訴人等の請求を棄却する、訴訟費用は第一、二審共被控訴人等の負担とする」との判決を求めるというのであり、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の事実上の主張及び証拠関係は、被控訴代理人において、原判決事実摘示中金十一万五千六百四十円とあるのは金十一万五千六百四十四円の誤記で、主文中金五万五千九百四十四円とあるのは金五万五千六百四十四円の誤記である、本件白菜は被控訴人等三名共同で売渡したものであり、控訴人佐藤なみよが本件代金支払について保証したのは昭和二十六年十二月三十一日であると述べ、甲第一号証を提出した外、原判決事実摘示と同じであるから、これを引用する。
三、理 由
控訴人等は原審及び当審における口頭弁論期日に出頭せず、また原審以来答弁書其の他の準備書面をも提出しないのであつて、ただ控訴人等の陳述したものとみなされた控訴状中に「原判決は事実の認定に誤りがある」と記載してあるに過ぎない。しかし以上のような経過を含む本件弁論の全趣旨及びこれにより真正に成立したものと認め得る甲第一号証を綜合すると、被控訴人等が本訴請求の原因として主張する事実はすべて真実に合するものと認めるに十分であつて、この認定を左右するに足る何等の証拠もない。
よつて控訴人等に対し、各金五万五千六百四十四円及びこれに対する約定支払期の翌日たる昭和二十七年一月十六日より完済まで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める被控訴人の本訴請求は正当であるから、これを認容した原判決は相当であつて本件控訴は理由がない。
もつとも原判決の主文には控訴人等に支払を命ずる金額として『金五万五千九百四十四円』と記載されているが、右は『金五万五千六百四十四円』の誤記であることが記録上明白であるから、この点については原裁判所で更正決定をすれば足り、特に当審において原判決の主文を変更することを要しないものというべきである。
以上の次第であるから民事訴訟法第三百八十四条第九十五条第八十九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判官 谷本仙一郎 檀崎喜作 沼尻芳孝)